ルツェルン音楽祭は毎年スイス中央部にある都市、ルツェルンにて開催される音楽祭です。①の続きを記します。
5.ルツェルン祝祭管弦楽団とは?
ルツェルン祝祭管弦楽団(ルツェルンしゅくさいかんげんがくだん、英語:Lucerne Festival Orchestra)は、スイスのルツェルンで開かれる「ルツェルン音楽祭・夏の音楽祭」において臨時編成されるオーケストラです。
ja.wikipedia.org演奏前のワクワクタイム。いやぁ、立派なオルガンです。
6.演奏はどうだった?
2017年8月12日リッカルド・シャイー指揮、ルツェルン祝祭管弦楽団のリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)プログラムを鑑賞。
1.『ツァラトゥストラはかく語りき』(ドイツ語: Also sprach Zarathustra) 作品30
2.『死と変容』(ドイツ語: Tod und Verklärung)作品24
3.『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(ドイツ語: Till Eulenspiegels lustige Streiche)作品28
冒頭のツァラトゥストラではオルガンが鳴り響きました。オルガンを含む4管編成で100名必要。弦パートは細かく分割され、プルト毎に分かれている箇所が多いのが特徴。トランペットによる哄笑や、小クラリネットによる “懈怠の動機” などは聞いていて楽しく、全体的に自由で大迫力、この喜びをなんと表現してよいか。
死と変容の冒頭はとにかく美しい。85歳で世を去ったシュトラウスですが生来病身で、20歳を過ぎた頃には重病を患い、たびたび死の危機に直面していたそう。変容は浄化を表し最後タムタムがが病人の死を告げるが変容のテーマが静かに表れ、次第に音量を増して病人が来世で変容を遂げたことが表されている部分はハッピーエンドなのでしょうがどこか切ない。テーマを語りかけてくるような弦楽器の演奏、金管楽器の宗教的なサウンドに思わず引き寄せられました。
14世紀の北ドイツの伝説の奇人ティルオイレンシュピーゲルさん(赤いほう)です。(ちなみに左のおじさまがマエストロのリッカルド・シャイー氏)「むかしむかし……」を表すテーマから始まります。好き放題にいたずらを繰り返すティルの活躍が描かれるが、突如小太鼓が鳴り響き、ティルは逮捕され死刑に!その後、冒頭の「むかしむかし……」のテーマが回帰し、ティルは死んでも彼の残した愉快ないたずらは不滅であることを示すティルの笑いの動機で曲が締めくくられます。
演奏を聴いて恥ずかしながら一人号泣です。周りの人はなんだ、この人?と思ったことでしょう^^; 4年も経った今CDを聞いても泣けてきます。名演だわ。
音楽はノンバーバルなものですがその曲の思い出が一気に蘇ります。
なぜ今回の旅を企画したかというと音楽祭で思い入れのある曲(ティルオイレンシュピーゲルの愉快ないたずら)を聞くことが出来るからでした。高3全国大会の曲のため強烈な思い出が次々脳裏をよぎり涙が止まらなくなりました。中でもフルートの音を聞くと今は亡きフルートの親友が一緒に聞いているような気がしました。ティルはもともとオーケストラ用の曲ですので吹奏楽で演奏するのは技術的に困難な部分がありましたが、みんなで工夫して乗り切ったことが懐かしい。
アンコールもサロメ(第4場の「サロメの踊り(7つのヴェールの踊り)」)で社会人になり吹奏楽団にいたころを思いだし、また涙。かっこいいなぁこの曲は。年を取ると涙腺が緩くなってホントに困ったもんです。
その他、細かい話ですがチューニングで管楽器奏者はここぞとばかりにA以外の音を吹きまくっており驚きました。自由だなぁ。そしてコンマスが途中交代でまたびっくり。お二人ともイスから立ち上がるくらい渾身の演奏でしたし、後半の方は表情が飄々としていてティルにピッタリでした。
◆その他ルツェルンに来て分かったこと
・この地における観光客の日本人
欧米の人から見たとき、日本人より中国人に間違われることが多いようです。また、観光案内の言語も今は中国語や韓国語のほうが日本語より多いです。需要に合わせた供給なので仕方ないですが数年前までは日本人が一番多かったため、またこの地に来る人が増えてほしいと感じました。
・観光客のうれしいこと
街並み・景観はとても大切だなぁと感じました。ルツェルンはどこを見ても手抜きがない街並みです。
また湖と山がすぐそばにあるのも大きな魅力ですね!
・音楽祭に来ているアジア人
観光客は中国・韓国・インドが多いですが音楽祭に来ているアジア人はほとんどが日本人でした。まだこの分野にはいらしてない様子。
エーデルワイスの花が街中に咲いてました。
ルツェルンの位置や観光ポイントはこちらをご覧ください。